スーパーやドラッグストアなどで、アルカリイオン水が販売されているのを見かけますよね。
でも、実際のところ、アルカリイオン水がどういった水なのか詳しく知っている人は、それほど多くないかもしれません。
アルカリイオン水とは、どういった水で、飲んでも危険性などはないのでしょうか?
ここではアルカリイオン水について、詳しくまとめています。
アルカリイオン水とは?
一般的にアルカリイオン水という呼ばれ方をしていますが、正式名称はアルカリ性電解水です。
水道水に電流を当てることで、水分子を+極と-極に分けます。
そのうちのマイナス極に引き寄せられた方が、アルカリイオン水ということになります。
アルカリイオン水は、その名の通りアルカリ性です。
酸性かアルカリ性か、というのはpH(水素イオン濃度)によって決まります。
pH(ピーエイチ) | |
酸性 | 0~6 |
中性 | 7 |
アルカリ性 | 8~14 |
アルカリイオン水のpHは、だいたい9~10です。
そのため、中性に近い弱アルカリ性ということになります。
アルカリ性だとどうして身体にいい?
では、水をアルカリ性にすることで、どんなメリットがあるのでしょう?
私たちの身体は約60%が水分です。
健康な人間の体液はpHが中性で7.4ほどです。
けれども、食事のバランスが取れていなかったり、ストレスなどを受けたりすることで、どんどん酸性に傾いてしまうようになっています。
そうして酸性に傾いてしまった身体を中性に戻すために、アルカリ性のもので中和させる必要があるんです。
ただし、そうはいっても強いアルカリ性のものを摂ると身体に負担がかかってしまうため、弱アルカリ性のものがいいということになります。
そのため、アルカリイオン水を飲むことで、酸性に偏ってしまった身体を中性に戻してあげるわけですね。
アルカリイオン水に期待できる効果
アルカリイオン水を飲むことで、身体にとってうれしい効果がいろいろあります。
メリット1:胃酸過多の改善
胃酸過多の状態を改善するには、アルカリイオン水がとても有効です。
酸性に傾いている胃のバランスを中和することで、中性に戻してくれます。そうすると、胃酸が正常になり、胃酸過多の状態が改善されます。
アルカリイオン水が胃腸の症状を改善してくれるということは、厚生労働省も認めています。
参照:アルカリイオン水の効果 | アルカリイオン整水器協議会
メリット2:消臭効果
アルカリイオン水には、消臭効果も期待できます。
健康な人の唾液はpHが中性なのですが、食事をするとだんだんと酸性に傾いていきます。
口内が酸性になってしまうと、細菌が繁殖しやすくなり、口臭が起こりやすくなってしまったり、虫歯になりやすくなってしまいます。
アルカリイオン水でうがいをすると、口内の細菌が除去できるため、口臭予防や虫歯予防にも効果的なんです。
メリット3:掃除
アルカリイオン水には汚れを分解する作用があります。pHが高いほど、汚れを落としやすくなり、洗浄力が高くなります。
ただし、アルカリイオン水が有効なのは酸性の汚れです。
アルカリ性の汚れにはあまり効果がないので気をつけましょう。
また、pHが高いアルカリイオン水は料理でのあく抜きなどでも高い効果を発揮してくれます。
アルカリイオン水のデメリット
身体にとってうれしい効果があるアルカリイオン水ですが、さすがにメリットばかりではありません。
具体的には以下のようなデメリットがあります。
デメリット1:消化力の低下
アルカリイオン水を飲むと胃酸が中和されるため、胃酸過多に効果的と先に述べました。それは、アルカリイオン水を飲むことで、本来の胃酸の力が弱まってしまうということでもあります。
胃酸が持っている消化力が落ちると、食べ物を消化しづらくなってしまいます。
そうすると、上手く食物が吸収されずに体調不良の原因となってしまうことがあります。
デメリット2:水中毒
何事にもいえることですが、やり過ぎは身体によくありません。
アルカリイオン水を大量に飲んでしまうと、水中毒になってしまう恐れがあります。
身体にとって余分な水分は、腎臓で尿となって排出されます。この腎臓の利尿速度は最大で毎分16mlほどです。
これを越えるペースで水を飲むと、身体が水分過多になってしまい、希釈性低ナトリウム血症という病気の原因になってしまいます。
身体にいいからといって飲み過ぎてしまうと、逆効果になってしまうため、気をつけましょう。
アルカリイオン水の危険性
アルカリイオン水は健康にプラスの効果がありますが、誰にとってもいいわけではありません。
たとえば、赤ちゃんにはアルカリイオン水を飲ませない方がいいです。
赤ちゃんや乳幼児は内臓がしっかり発達していないため、pHが高いアルカリイオン水を飲むと下痢になってしまいます。
ミルクに使う場合などは注意しましょう。