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妊娠中に水道水を飲んでも大丈夫?PFAS・鉛・浄水器の注意点を解説

水の知識

妊娠中は、普段なら気にならなかった食べ物や飲み物まで、「赤ちゃんに影響しないかな」と心配になることがあります。

水道水についても、「塩素やPFASは大丈夫?」「ミネラルウォーターへ変えたほうがいい?」と迷う方がいるのではないでしょうか。

結論からいうと、水質基準に適合し、通常どおり供給されている日本の水道水は、妊娠中でも飲用や料理に使えます。妊娠したことだけを理由に、水道水を避ける必要はありません。

ただし、原因不明の濁り・異臭・異物がある場合、鉛製給水管が確認されている場合、管理状況がわからない井戸水を使う場合は、個別の確認が必要です。

この記事では、妊娠中の水道水の考え方、PFAS・塩素・鉛への向き合い方、つわり中の水分補給、浄水器や市販水の選び方を、公的情報をもとに整理します。

この記事でわかること
  • 妊娠中でも水道水を飲める理由
  • PFAS・塩素・鉛が気になる場合の確認方法
  • 井戸水や貯水槽で注意したいこと
  • つわり中の水分補給と受診の目安
  • 浄水器・市販水・ウォーターサーバーの選び方
妊娠中だから水道水が危険になるわけではありません。「地域の水質」と「自宅の設備」を分けて確認すると整理しやすいです。
目次

30秒でわかる妊娠中の水選び

確認項目結論対応
通常の水道水妊娠中も飲用できる自治体の水質情報も確認可能
塩素衛生維持に必要においが気になるなら浄水を検討
PFOS・PFOA2026年4月から水質基準項目水道局の検査結果を確認
給水管・器具が主な確認点材質確認と必要な対策を行う
井戸水定期的な検査が必要未検査なら飲用を自己判断しない
硬水無理に選ぶ必要はない体調と硬度を確認
つわり飲みやすい水を少量ずつ水分を保てない場合は医療機関へ相談
先に結論

普段飲んでいる水道水に異常がなく、水道局から飲用制限などが出ていなければ、妊娠中も利用できます。不安がある場合は、広告やSNSではなく、自治体の検査結果、自宅の給水設備、使用する浄水器の性能を確認しましょう。

妊娠中に水道水を飲んでも大丈夫?

日本の水道水は、水道法に基づく水質基準に適合しなければなりません。水道事業者には検査が義務付けられ、地域ごとの水質検査計画や結果も公開されています。

2026年4月からはPFOS・PFOAが加わり、水質基準は52項目です。鉛、総トリハロメタン、大腸菌、一般細菌、味、臭気、濁度などにも基準があります。

妊娠したから水道水を変える必要はない

水質基準に適合している通常の水道水を、妊娠中という理由だけでミネラルウォーターへ変える必要はありません。水道水は飲み水、料理、白湯などに利用できます。

味や塩素臭が気になって飲みにくい場合は、冷やす、浄水器を使う、飲み水だけ市販水へ変えるなど、無理なく水分を取れる方法を選びましょう。

水質に異常がある場合は妊娠の有無にかかわらず確認する

原因不明の色、濁り、異物、油・薬品・下水のようなにおいがある場合は、飲用や料理への使用を控えます。煮沸や浄水器だけで対処せず、水道局や建物の管理会社へ連絡してください。

水道水の安全性については、水道水はそのまま飲める?塩素・PFAS・煮沸を解説で詳しく確認できます。

妊娠中に気になる水道水の成分

妊娠中に不安になりやすい塩素、PFAS、トリハロメタン、鉛について、確認すべきポイントを分けて見ていきましょう。

塩素は水道水を衛生的に届けるために必要

残留塩素は、配水中の水を衛生的に保つために必要です。水道法施行規則では、通常時の給水栓で遊離残留塩素を0.1mg/L以上保つことが定められています。

塩素臭が気になっても、直ちに危険という意味ではありません。におい対策で浄水・煮沸をした水は、残留塩素が減っているため長期保存せず早めに使ってください。

PFOS・PFOAは水道局の検査結果で確認する

PFASは有機フッ素化合物の総称です。PFOSとPFOAについては、2026年4月から合算で0.00005mg/L以下という水質基準が施行されています。

地域の状況が気になる場合は、自治体や水道事業者が公開する最新の検査結果を確認してください。一般家庭での煮沸は、PFOS・PFOAを確実に除去する方法ではありません。

トリハロメタンは水質基準で管理されている

トリハロメタンは、原水中の有機物と消毒用の塩素が反応して生じることがある物質です。水道水では、総トリハロメタンと個別成分に基準があります。

基準に適合している水道水を、妊娠中だから過度に不安視する必要はありません。どうしても気になる場合は、対象物質と浄水能力が明記された製品を選び、ろ材交換を守りましょう。

鉛は給水管・蛇口・器具を確認する

鉛は水質基準の対象です。ただし、鉛製給水管や一部の古い器具から水へ溶け出す可能性があるため、地域の水質だけでなく自宅側の設備も確認点になります。

CDCは、妊婦や子どもにとって飲料水中の鉛が重要な確認事項であり、鉛を含む配管・蛇口・器具が主な侵入経路になると案内しています。

鉛製給水管が気になる場合

築年数だけで鉛製給水管の有無は判断できません。水道局、管理会社、建物所有者へ材質を確認してください。使用が確認された場合は、朝一番や長期間不在後の水の扱いなど、水道事業者の案内に従います。根本的な対策は給水管の交換です。

気になる成分があるときは、自己判断で大量に水を流したり煮沸したりする前に、地域の検査結果と自宅設備を確認してください。

貯水槽や井戸水を使っている場合

マンションでは貯水槽の管理状況を確認する

マンションやビルでは、水道水を貯水槽へためてから各戸へ送る場合があります。貯水槽は、設置者による適切な清掃・点検・検査が必要です。

清掃状況や点検記録がわからない場合は、管理会社や大家へ確認してください。複数の蛇口で同じ異臭や濁りが出る場合も早めに連絡します。

飲用井戸は定期的な水質検査が必要

個人住宅などの飲用井戸は、水道事業の水道と同じ管理体制ではない場合があります。環境省の「飲用井戸等衛生対策要領」では、施設の管理、定期的な水質検査、汚染時の措置などが示されています。

妊娠中や乳幼児のいる家庭で、検査状況がわからない井戸水を自己判断で飲用しないでください。自治体の衛生担当窓口へ検査項目や頻度を確認しましょう。

妊娠中の水分補給で大切なこと

妊娠中に必要な水分量は、体格、食事、季節、活動量、発汗、つわり、持病などで変わります。一律の量を無理に飲むより、医師の指示と体調を優先してください。

一度に大量ではなく、こまめに飲む

暑い日や汗をかく場面では、のどの渇きを待たず、こまめに水分を取ります。水、カフェインを含まない飲料、食事中の汁物なども水分に含まれます。

ただし、妊娠高血圧症候群、心臓・腎臓の病気などで医師から水分・塩分について指示がある場合は、その内容を優先してください。

つわり中は飲める温度・味を探す

つわりでは、においや温度に敏感になり、普段の水が飲みにくくなることがあります。冷たい水、常温水、無糖炭酸水など、受け付けやすいものを少量ずつ試してください。

香り付きの水やハーブ飲料は、原材料と糖分・カフェインを確認します。「妊婦向け」と書かれていないハーブを自己判断で常用しないようにしましょう。

水分を保てない場合は医療機関へ相談する

厚生労働省は、つわりで嘔吐を繰り返すと、脱水や体重減少を伴う妊娠悪阻へ重症化することがあると案内しています。

早めに相談したい状態
  • 水やほかの飲み物を飲んでも吐いてしまう
  • 嘔吐を繰り返し、尿が極端に少ない
  • 急な体重減少、強いのどの渇き、皮膚の乾燥がある
  • めまい、意識がぼんやりするなど普段と違う症状がある

これらがある場合は、飲み物の種類を探し続けるだけで済ませず、かかりつけの産科・医療機関へ相談してください。

カフェインを含む飲み物にも注意する

水分補給は、水だけでなくお茶やコーヒーからもできます。ただし、妊娠中はカフェインを含む飲料の合計量に注意が必要です。

食品安全委員会は、妊娠中にカフェインをゼロにする必要はないものの、摂り過ぎに注意するよう案内しています。海外機関の目安として、1日200〜300mgが紹介されています。

飲み物確認ポイント
水・白湯カフェインを含まない
麦茶一般にカフェインを含まない
コーヒー量と濃さ、ほかの飲料との合計を見る
紅茶・緑茶・ウーロン茶カフェインを含む
エナジードリンク高カフェインの商品がある
デカフェ飲料少量含む場合があるため表示を確認
水分補給をお茶やコーヒーだけにすると、カフェイン量を把握しにくくなります。水やカフェインを含まない飲み物も組み合わせましょう。

妊婦さんがミネラルウォーターを選ぶポイント

硬度と飲みやすさを確認する

市販水を選ぶ場合は、天然水かRO水かだけでなく、硬度と成分を確認してください。日本の水に近い味を好む方は、軟水から試すと飲みやすいでしょう。

硬水が妊娠中に一律禁止されているわけではありませんが、飲み慣れていない方は味が合わなかったり、お腹がゆるくなったりする場合があります。便秘対策などを目的に無理に飲み続けないでください。

硬度の見方は、硬水と軟水の違いで確認できます。

水だけでミネラルを補おうとしない

カルシウムやマグネシウムは大切な栄養素ですが、水だけで補う必要はありません。妊娠中の栄養は食事全体で考え、サプリメントや特定成分の多い水を取り入れる場合は、医師・管理栄養士へ相談しましょう。

開封後の衛生管理を確認する

未開封時の賞味期限が長い商品でも、開封後は同じ期間保存できません。直接口を付けず、表示どおりに保存し、早めに使い切ります。

天然水とRO水の違いは、天然水とRO水を比較で詳しく解説しています。

浄水器・市販水・ウォーターサーバーを比較

選択肢メリット注意点
水道水低コストで料理にも使いやすい地域・建物の状況を確認
家庭用浄水器においや対象物質を低減できる性能確認とろ材交換が必要
市販水未開封で保存しやすい硬度、購入、保管、ごみ
宅配型サーバー冷温水と備蓄水を確保しやすい月額、契約期間、ボトル交換
浄水型サーバー冷温水を定額で使いやすい給水・清掃・ろ材交換、断水時

浄水器は性能と交換時期を見る

浄水器は製品ごとに除去対象が異なります。「妊婦向け」などのイメージではなく、浄水能力、対象物質、総ろ過水量、ろ材交換時期を確認してください。

浄水後は残留塩素が減っているため、長期保存には向きません。詳しくは浄水器のメリットとデメリットをご覧ください。

ウォーターサーバーは産後の使い方まで考える

ウォーターサーバーは、重い水の買い出しを減らし、冷水・温水をすぐ使える点がメリットです。一方、契約期間、解約金、ボトル交換、設置場所、毎月の費用があります。

産後のミルク作りを想定する場合は、水の成分だけでなく、70℃以上のお湯を使えるか、チャイルドロック、清掃方法も確認してください。選び方は赤ちゃん向けウォーターサーバーの選び方にまとめています。

妊娠中に水道水の飲用を控えて確認したいケース

状況対応
原因不明の色・濁り・異物飲用を控え、水道局・管理会社へ連絡
油・薬品・下水のようなにおい使用を控え、速やかに連絡
断水・工事・災害後自治体の案内に従う
鉛製給水管が確認されている水道事業者の使用案内と交換計画を確認
貯水槽の管理が不明管理会社・所有者へ点検状況を確認
飲用井戸の検査結果が不明飲用を自己判断せず自治体へ相談

妊娠中の水についてのよくある質問

妊娠中に水道水を毎日飲んでも大丈夫ですか?

水質基準に適合し、通常どおり供給されている水道水は、妊娠中も飲用・料理に使えます。地域の検査結果は自治体や水道局の公式サイトで確認できます。

水道水の塩素はお腹の赤ちゃんに影響しますか?

残留塩素は水を衛生的に届けるために必要で、基準に沿って管理されています。塩素が含まれるという理由だけで、水道水を避ける必要はありません。

妊娠中はPFASが心配なので水道水を避けるべきですか?

一律に避けるのではなく、地域の水道事業者が公開するPFOS・PFOAの検査結果を確認してください。基準超過や飲用制限が案内された場合は、その指示に従います。

妊娠中は1日に何リットル飲めばいいですか?

必要量は体格、食事、季節、活動量、つわり、持病などで変わります。特定量を無理に飲まず、こまめに補給し、医師から指示がある場合はその内容を優先してください。

つわりで水が飲めない場合はどうすればいいですか?

飲める温度や無糖炭酸水などを少量ずつ試します。水分を飲んでも吐く、尿が極端に少ない、急な体重減少、めまいなどがある場合は、早めに産科・医療機関へ相談してください。

硬水は妊娠中に飲んではいけませんか?

一律に禁止されているわけではありません。ただし、飲み慣れない硬水でお腹がゆるくなる場合があります。健康効果を期待して無理に飲まず、体調に合う水を選んでください。

妊娠中に井戸水を飲んでも大丈夫ですか?

検査結果が確認できることが前提です。飲用井戸は適切な管理と定期的な水質検査が必要です。検査状況が不明な場合は自己判断で飲用せず、自治体の衛生担当窓口へ相談してください。

妊娠中にウォーターサーバーを契約するメリットはありますか?

水の買い出しを減らし、冷温水をすぐ使える点は便利です。契約前に、月額、最低利用期間、解約金、ボトル交換、設置場所、産後の調乳条件を確認してください。

まとめ|妊娠中も通常の水道水は飲める。個別の状況を確認しよう

水質基準に適合し、通常どおり供給されている日本の水道水は、妊娠中も飲用や料理に使えます。水道水という理由だけで避ける必要はありません。

PFOS・PFOA、鉛、トリハロメタンなどが気になる場合は、自治体の検査結果と自宅の給水設備を確認してください。井戸水や貯水槽を使う場合は、管理・検査状況も重要です。

つわり中は飲みやすい温度や味を探し、少量ずつ補給します。水分を保てない、尿が極端に少ない、急な体重減少やめまいがある場合は、飲料選びだけで解決しようとせず医療機関へ相談してください。

参考資料

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